異聞集》是晚唐陳翰編選的唐朝代表性傳奇小說集,共10卷。《異聞集》是最早的唐代小說選集[1],對中國小說史影響深遠。現無完本傳世。

編者

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《異聞集》的編者陳翰生卒年﹑籍貫﹑字號均不詳﹐僅知是晚唐人﹐官工部屯田員外郎。[2]今人王夢鷗基於張旭郎官石柱記》考證,陳翰生自宣宗大中6年(852)任金部員外郎(戶部判官),僖宗乾符元年(874)以前曾任庫部員外郎(兵部判官),此後任工部屯田員外郎,至乾符末年(共6年)卒,享年六十餘歲[3]

沿革

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現存遺篇中,《冥音錄》年代下限為文宗開成5年(840),宣宗大中年間及此後的懿宗咸通年間(847-874)本書已有流傳,應是文宗會昌年間(841-847)成書[4]。此後《新唐書·藝文志》《崇文總目》、晁公武《郡齋讀書志》、陳振孫直齋書錄解題》、尤袤遂初堂書目》均收為全10卷[5],因此宋代似有完本;宋末元初馬端臨文獻通考》中「異聞集10卷」[6]是最後一個言「十卷」者,也可能只是轉述了《郡齋讀書志》《直齋書錄解題》中的說法,本人可能沒有親眼看過原書。《宋史·藝文志》[7]似乎也沒有對書中內容直接的描述,可能南宋末年就已經散佚了[4]。僅存《太平廣記》及其他地方輯錄的40多篇。另外陳振孫所見原書中有《王魁》一篇,他認為是後人託名之作,可見那時原書已有了増補編纂的餘地,也可以視作是在散佚的過程中;沒有流傳到元朝的主要篇目都為《太平廣記》所收。可能因為《太平廣記》在宋朝流傳廣泛,使得原書被淘汰了[4]

內容

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目前已知《異聞集》約輯入唐代小說四十多篇,其中〈古鏡記〉〈枕中記〉〈李娃傳〉〈柳毅〉〈感異記〉〈南柯太守傳〉〈湘中怨〉等皆為名篇。《異聞集》原書已散佚,但在太平興國三年(978年)官方所完成的《太平廣記》與宋人曾慥私家輯《類說》得以保存。《太平廣記》註明出《異聞集》有4篇、出《異聞錄》有9篇、出《異聞記》僅1篇。另有《類說》輯存25篇。王夢鷗《陳翰異聞集校補考釋》輯得41篇。

現存遺篇多被認為是唐代傳奇代表作,見過原書的晁公武將其概括為類聚唐朝傳記中所見怪誕之事而成一書[8]。從現存各篇可以看出,編者沒有將自己作品混載其中,鑑別力之高也備受好評。如上述,《太平廣記》從《異聞集》中引有大部分篇目,其中名作大都屬於《異聞集》,可見宋代閱讀傳奇主要作品似乎都要專門閱讀《異聞集》。特別是其中似乎單行本為多,散佚的風險也更大,如《李娃傳》《南柯太守傳》等,可以說本書的編篡有著難以估量的價值[9]。但編纂時並沒有忠實地寫錄原作品,為給當時讀者提供便利,切斷語流插入注釋[10],還有改變字句的[11]

本集遺篇為《廣記·出異聞集》,也有誤作《出異聞録》乃至《出異聞記》[12],還有見於曾慥《類説》所收25則[13]及朱勝非《紺珠集》13則25條[14]。它們大半重複,通過比較《廣記》以外逸文與《廣記》所收,也能收集出不被稱為《出異聞集》的若干則,但從原書全10卷的體量來看,還沒有到能窺探整體的程度[15]

腳註

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  1. ^ 程毅中《古小説簡目·附録二:<異聞集>考》,中華書局,1981年。
  2. ^ 新唐書‧藝文志》「小說類」著錄「陳翰《異聞集》十卷」,原注「唐末屯田員外郎。」
  3. ^ 王夢鷗《陳翰異聞集校補考釋》(唐人小説研究二集),藝文印書舘,1972年。
  4. ^ 4.0 4.1 4.2 王前揭書。
  5. ^ 前揭《新唐書·藝文志》、《崇文總目》卷28、《郡齋讀書志》卷13小説類、《直齋書錄解題》卷11小説家類、《遂初堂書目》小説類。
  6. ^ 卷215(經籍考42)。
  7. ^ 志第159,藝文5。另外此書將撰者誤為陳,還將《卓異記》撰者陳翱誤為李翺
  8. ^ 《前揭読書志》:「以傳記所載唐朝奇怪事,類為一書。」「傳」為人物傳記,「記」為事物沿革,前者以人名命名為《○○傳》,後者以事物命名為《○○記》。
  9. ^ 前揭王書、程書。黒田真美子《唐代傳奇について:枕中記・李娃傳・鶯鶯傳及其他》(中國古典小説選5)所收,明治書院,2006年。李劍國《唐五代志怪傳奇敘録》(第2版)《下冊第3卷:異聞集》,南開大學出版社,1998年。
  10. ^ 韋瓘《周秦行紀》(《廣記》卷489雑傳記6)等例多見。
  11. ^ 前揭王書。沈既濟《枕中記》可見顯著改編(《廣記》卷82異人2《呂翁》與《文苑英華》所收本比較。還參照《枕中記》),沈亞之在《異夢録》中作為話語可信性的擔保,出現為當時宰相王播的弟弟,。但到陳翰生時候他的知名度消失了,因而將名字改為「王生」(《廣記》卷282夢7《邢鳳》)。
  12. ^ 《異聞録》《異聞記》均為《異聞集》之誤,特別是《異聞録》,李玫《纂異記》在《類説》變為《異聞録》(卷19)、《紺珠集》中為《異聞實録》(卷1),造成了《廣記》的混亂(王前揭書)。另外李玫《宋史》作攻,《紺珠集》作玖,《南部新書》作玟(程前揭書)。
  13. ^ 卷28(別本為卷26)所收。
  14. ^ 卷10所收。
  15. ^ 前揭王書、程書。

參考書目

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  • 程毅中:〈《異聞集》考〉,收入《程毅中文存》
  • 方詩銘:〈《異聞集》雜考〉,收入《方詩銘文集(第二卷)》
  • 近藤春雄《中國學藝大事典》大修館書店、昭和53年

外部鏈接

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異聞集遺文集

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  • 參王夢鷗《陳翰異聞集校補考釋》、程毅中《<異聞集>考》(《古小説簡目》附録2)[註 1]
  • 《廣記》紅色欄為本集出處(含推定、存疑)。
  • 各篇編號參程《<異聞集>考》。1〜40、42參王、程兩書,41、43、44參程書。
作者 作品名(則名) 原出(推定)、備考
太平廣記 類説 紺珠集 其他
1 陸藏用 丹丘子(卷297) 神告録 丹丘子 陸藏用《神告録》。《廣記》則末作《出陸用[註 2]神告録》,《宋史藝文志5作陸藏用《神告録》1卷。
2 柳珵 上清(卷275) 上清傳 《廣記》作《出異聞集》。晁公武郡斎読書志》小説類、柳珵《常侍言旨》作《上清傳》附「劉幽求」,《資治通鑑考異》卷19劉逸凖條引作「曰柳珵上清傳」。本集應採錄自《常侍言旨》。
3 不明 神異記 未詳。與晉王浮有《神異記》重名[註 3]
4 張説 李守泰(卷231) 鏡龍記 張説《鏡龍圖記》。《廣記》誤作《出異聞》。
白居易、孔傳《白孔六帖》卷13《鏡》水心鏡條節錄為《唐説鏡龍記》(張字脫落)。王應麟《玉海》卷91《唐貢鏡仁壽鏡》、《宋史·藝文志5》記張説撰《鑑(鑒)龍圖記》1卷(避諱改字),宋朝應為單行本[註 4]
5 王度 王度(卷230) 古鏡記 龍駒持月
紫珍
寶鏡気
金煙玉水
戴冠郎
王度《古鏡記》。《太平御覧》卷912狸條、顧況《戴氏廣異記序》[註 5]作《王度古鏡記》,似為單行本,《廣記》引自。ただし、撰者王度に就いてはその實在が疑われており[註 6]、《崇文總目》[註 7]鄭樵通志[註 8]王勔(おうべん。の兄)撰《古鑑(鑒)記》1卷が見えるのでこれを宋翼祖の諱を嫌名して改題したものと推定してこの勔を真の撰者と見る説も唱えられている[註 9]
6 薛用弱 韋仙翁(卷37) 韋仙翁 韋仙翁 羅泌《路史》卷37発揮6の《関龍逢》に《集異記》からとして摘録があり、その書は薛用弱の傳奇集《集異記》であると思われ、だとすると《廣記》に《出異聞集》とあるのは薛集からの転録という事になる[註 10]
7 沈既済 呂翁(卷82) 枕中記 邯鄲枕 《廣記》に《出異聞集》とあるが、原書は沈既済の《枕中記》。
文苑英華》卷833、李肇《唐國史補》卷下に《枕中記》と見え、房千里《骰子選格序》[註 11]には《沈拾遺(既済)述枕中事》とある。ただし《廣記》つまり本集の文は《文苑英華》所引のものと文字にかなりの異同があり、編者陳翰が手を入れた様を窺わせる。
8 戴孚 僕僕先生(卷22) 僕僕先生 戴孚《僕僕先生》カ。《廣記》は《出異聞集及廣異記》と2書を出処としており、両書を揭げるのは本集が戴の傳奇集《廣異記》から転録した事情を指すか。
9 許堯佐 柳氏傳(卷485) 柳氏述 許堯佐《柳氏傳》。《廣記》に「柳氏傳許堯佐撰」と題して出処を示さないので當時の単行が知られる[註 12]
同話の皇都風月主人《緑窗新話》卷上《沙吒利、韓翃の妻を奪う》條は《異志》を典拠に挙げるが、その《異志》は本集を指すか。
10 白行簡 李娃傳(卷484) 汧國夫人傳 白行簡《李娃傳》。《廣記》には「出異聞集」とある。ただし、原書名を《類説》に従って《汧國夫人傳》とする説や《一枝花》とする説があり、更に白作を疑う説もある[註 13]
11 李朝威 柳毅(卷419) 洞庭靈姻傳 橘社
雨工
濯錦小児
風鬟霧鬢
元珠閣火経論
《廣記》に《出異聞集》とあり、《緑窗新話》《柳毅、洞庭の竜女を娶る》條も同様に注記する[註 14]。原典は李朝威《柳毅傳》として近代以降通行しているが、宋人の著作にはもっぱら《類説》に見える《洞庭靈姻傳》の作品名で引かれている。
12 蔣防 霍小玉傳(卷487) 霍小玉傳 《廣記》は《霍小玉傳蔣防撰》と題して出処は示していないので宋代に《霍小玉傳》として単行されていた事が判る[註 15]
13 不明  華嶽靈姻 未詳。《緑窗新話》卷上に《韋(い)卿、華陰の神女を娶る》條が載せられ《異聞集》を典拠にしたと注してある。
14 沈亞之 沈警(卷326) 感異記 織女斜河 《廣記》に《出異聞》とあるのは本集の誤り。本作中の詩句に《詩人玉屑》が引く沈亜之の詩と同じ句が見える[註 16]ので本作も沈作の可能性がある。
15 陳玄祐 王宙(卷358) 離魂記 陳玄祐《離魂記》。《廣記》の則末に《出陳玄祐離魂記》とあって宋代に単行されていた事が判る。同話として《緑窗新話》卷上に《異聞》から引いた《張倩娘、離魂して壻に奔る》條が見える。
16 元稹 鶯鶯傳(卷488) 傳奇 元稹《鶯鶯傳》。《廣記》に《鶯鶯傳元稹撰》と題して出処は示していないので宋代に単行されていた事が判るが、その書名が《廣記》の如く《鶯鶯傳》であったのか《類説》の如く《傳奇、》であったのかに就いては説が分かれている[註 17]
17 不明 相如挑琴 本作は《漢書》司馬相如傳に基づいた司馬相如と卓文君の故事を述べており、當該故事を題材にした小説が存して流行していた為に採録されたものと思われる一方で、後人に依る勦入も疑われる。
18 李公佐 淳于棼(卷475) 南柯太守傳 槐安國
南柯太守
檀蘿國
李公佐《南柯太守傳》。李肇《國史補》卷下に《稱李公佐南柯太守》とあり唐代に単行流布していた事が判るが、宋代《廣記》は「出異聞」と本集から引く(《録》は《集》の誤り)。なお、《國史補》に拠れば唐代には《南柯太守》と題されていたように見受けられるが[註 18]魯迅は原題を《南柯太守傳》と推定している[註 19]
19 鄭權 姚氏三子(卷65) 三女星精 三女降星 鄭権《御史姚生》。《廣記》に「出神仙感遇傳」とあり、杜光庭《神仙感遇傳》卷之3に《御史姚生》と題して收められ、その冒頭に「鄭州刺史鄭権の敘して雲く」とある[註 20]。杜は唐最末期以降の人物なので本集の方が出典としては早い。《緑窗新話》卷上《星女配姚御史児》條は同話でそこに《異聞》から引くとある。
20 李公佐 謝小娥傳(卷491) 謝小娥傳 李公佐《謝小娥傳》。《廣記》に「謝小娥傳李公佐撰」と題して出処は示していないので當書が宋代に単行されていた事が判る[註 21]
なお、《類説》では則末に「幽恠(怪)録所載小異、故両存之」と記して牛僧孺の《玄怪録》中に酷似した話が收録されているとし、同書卷11の《幽怪録》中で《申蘭申春》と題して《尼妙寂》を收めている[註 22]
21 不明 冥音録(卷489) 冥音録 夢傳十曲
修文舍人
未詳。元末明初《説郛》卷第114、明刻本《虞初志》、清《唐人説薈》等に朱可久撰《冥音録》とあるが所拠不明。
22 り けい/李景亮 李章武(卷340) 碧玉檞葉 碧玉檞葉 原典は《廣記》の則末に《出李景亮為作傳》と記し[註 23]、近代以降李景亮《李章武傳》として通行する。
23 牛僧孺(存疑) 周秦行記(卷489) 周秦行記 月地雲階
玉奴不負東昏
《廣記》は《周秦行記牛僧孺撰》と題して出処を示さないので《周秦行紀》の題で宋代に単行されていた事が判るが、宋の賈黃中以降夙に韋瓘の偽作が疑われている[註 24]
24 沈亜之 太學鄭生(卷298) 湘中怨 沈亜之《沈下賢文集》卷第2に《湘中怨解》と題して收められる(《湘中怨辭》に作る本もある[註 25])。《文苑英華》卷358にも引かれ、同書に拠れば張君房《麗情集(れいじょうしゅう)》にも引かれていたらしい。《廣記》は《出異聞集》とす。
25 沈既済 任氏(卷452) 任氏傳 《廣記》は則末に《沈既済撰》と注記する[註 26]のみで出処を示していないので宋代に《任氏傳》と題して単行されていた事が判る[註 27]
26 溫畬 李行修(卷160) 稠桑老人 《廣記》に「出続定命録」とあり、《新唐書》志第49藝文3に溫畬《続定命録》1卷と見える。
7 李吉甫 鄭欽悅(卷391) 13/鐘山壙銘 《廣記》に「出異聞」とあるのは本集の誤り。《編次鄭欽悅弁大同古銘記》[註 28]を引載して《趙郡李吉甫記》と結んでおり、《新唐書》藝文志に載る李作《梁大同古銘記》1卷[註 29]が原書と思われる。なお、鄭欽悅は新舊両唐書の列傳に載る鄭欽説の事。
28 不明 白皎(卷78) この3篇、《廣記》に「出異聞集」とあるが他に見えず未詳。
29 不明 王生(卷79)
30 不明 賈籠(卷79)
31 沈亜之 沈亜之(卷282) 《廣記》に「出異聞集」とあり、任淵も《後山詩注》卷11の《晩泊》の注で《沈亜之夢中作舞辭曰》として本集から引いている。原典は《沈下賢文集》卷第2に收める《秦夢記》であろう。
32 不明 秀師言記(卷160) 未詳。《廣記》に「出異聞」とあり、他の例から推して本集收録作であったと思われる。
33 沈亜之 邢鳳(卷282) 原典は《沈下賢文集》卷第4の《異夢録(いぼうろく)》であろう。《廣記》は《出異聞》とあるが《秦夢記》の例から本集の誤りと類推できる。鄭還古傳奇集《博異志》も《沈亜之》と題して同じ話を録す。
34 不明 韋安道(卷299) 未詳。《廣記》に《出異聞》とあるのは他例から本集を指すと思われる。劉克莊《後村詩話》卷1に《唐人敘述奇遇、如后土夫人事、托之韋郎》とあって、瞿佑《帰田詩話》卷上にも引用されているので、少なくも宋、明代には《后土夫人傳》の題で通行していたらしい。
35 不明 328-1/解襆人(卷328) この2篇、《廣記》の同じ卷にごく短文が共載され、共に《出異聞》とある。未詳。《異聞録》は他例からして本集の誤りと思われるが定かでない。
36 不明 漕店人(卷328)
37 不明 獨孤穆(卷342) 未詳。《廣記》作《出異聞》,應為誤作。
38 李公佐 廬江馮媼(卷343) 《廣記》則末:「公佐因為之傳。出《異聞》」。《異聞録》應為誤作。近代以降通行《廬江馮媼傳》。
39 不明 雍州人(卷462) 未詳。《廣記》作《出異聞》,可能為誤作。
40 薛用弱 劉惟清(卷346) 未詳。談刻本《廣記》作《出異聞》,明鈔本《廣記》作《出集異記》[註 30]。不能確定是否出自《異聞集》,也可能出自上揭薛用弱《集異記》或陸勲《集異記》[註 31]也可能是《異聞集》轉錄。
41 戴孚 周頌(卷382) 未詳。明鈔本《廣記》作《出異聞》,談刻本作《出廣異記》,不能確(《廣異記》に就いては上記參照)。
42 李公佐 李湯(卷467) 古岳瀆経
(《集註分類東坡先生詩》・《山谷外集詩注》)
王十朋《集註分類東坡先生詩》卷2《濠州七絶・塗山》において《川鎖支祁水尚渾》の程縯(ていえん)に依る句注に《異聞集載古岳瀆経》として引かれ、史容《山谷外集詩注》卷第14、《別蔣穎叔》の《支祁窘束縮怒濤》の句注に《異聞集載古岳瀆経雲》として略同文が引かれる。《廣記》卷467《李湯》がその原文と推測され、そこには《出戎幕閑談》とあるが恐らくは李公佐の撰書として単行されたものを本集や《戎幕閑談》(韋絢編著)が收録したものと思われる。また、原題は元陶宗儀《南村輟耕録》卷29の《淮渦神》條に《古岳瀆経に雲く》とあるので一に《古岳瀆経》とされるが[註 32]、元來は別題であった可能性もある。
43 不明 櫻桃青衣(卷281) 櫻桃青衣
(《錦繍萬花谷》)
《錦繡萬花谷》後集卷37に《出異聞集》として引載する。《廣記》も同題で引くが撰者出処は示していない。なお、明代《五朝小説(ごちょうしょうせつ)》や《唐人説薈》には任蕃(じんばん)《夢遊録》からとして收録するが偽託である。
44 陳鴻祖 東城老父傳(卷485) 東城老父傳
(《杜工部草堂詩箋》・《歳時廣記》)
陳鴻祖《東城老父傳》。
蔡夢弼《杜工部草堂詩箋(とこうぶそうどうしせん)》卷第29《闘鶏》條で《闘鶏初賜錦》の注に《陳翰異聞集》として引き、陳元靚《歳時廣記》卷第17《治鶏坊》條も《陳翰異聞に雲く》として引く(但し、共に《東城父老傳》とす)。《廣記》にも收まるが題下に《陳鴻撰》とあるのみで出処を示さず、《宋史》藝文志に《陳鴻《東城父老傳》一卷》とある[註 33]ので宋代に単行していたことが知られる[註 34]。ただし、これらが作者を陳鴻とするのは文中の記載から陳鴻祖(ちんこうそ)の誤りであろうと考えられている[註 35]
45 裴鉶 虬髯客(卷194) 無/ (紅払妓) 《廣記》には《出虬髯傳》とあり《紺珠集》は裴鉶《傳奇》中の1篇とする。李剣國は裴鉶《傳奇》所收の《虬鬚客傳(きゅうしゅきゃくでん)》が《虯髯客傳》として単行された一方で本集にも採録されたものと説く[註 36]
其他
(46) 不明 王魁
(《直斎書録解題》)
陳振孫が目にした本集の第7卷に本篇が載せられていたらしく、《直斎書録解題》で本篇の後人の勦入たる事を指摘している[註 37]
(47) 不明 書仙傳
(《宋栞施顧注蘇詩》)
施元之、顧禧《宋栞施顧注蘇詩》卷15《百歩洪》註:「異聞集書仙歌、長安南坡雲々」[註 38]
  1. ^ 王書は藝文印書舘刊、中華民國62年、程書は中華書局刊、1981年。
  2. ^ 「藏」字脫落。
  3. ^ 作中提到涇原兵變,時代不合。
  4. ^ 李劍國《唐五代志怪傳奇敘録》(第2刷)《鏡龍圖記》(上冊第1卷),南開大學出版社,1998年。
  5. ^ 《文苑英華》卷737所引。
  6. ^ 成瀬前揭書。
  7. ^ 卷6小説類下。
  8. ^ 卷66藝文略第4《貨寶》。
  9. ^ 小南一郎《唐代傳奇小説論》第1章《古鏡記》、岩波書店、2014年。
  10. ^ 李前揭書上冊第2卷《集異記》及び下冊第3卷《異聞集》。
  11. ^ 《文苑英華》卷378、《唐文粹》卷94等所引。
  12. ^ 近藤春雄《唐代小説の研究》第3章第5節甲b4《柳氏傳》、笠間書院、昭和53年。
  13. ^ 今村與志雄《唐宋傳奇集(上)》《鳴珂曲の美女》訳注、岩波文庫、1988年。
  14. ^ 近藤前揭書第3章第1節4《作者題名異同表》。
  15. ^ 黒田真美子《枕中記・李娃傳・鶯鶯傳他》(中國古典小説選5)《霍小玉傳》余説、明治書院、2006年。
  16. ^ 《詩人玉屑》卷12苦吟句踏襲句條、《徘徊花上月、空度可憐宵》の両句。
  17. ^ 黒田前揭書《鶯鶯傳》余説。
  18. ^ 黒田前揭書《南柯太守傳》余説。
  19. ^ 今村前揭書《南柯の一夢》訳注。
  20. ^ 但し、現傳する鄭権の官歴に鄭州刺史は見えない。
  21. ^ 黒田前揭書《謝小娥傳》余説。
  22. ^ なお、《尼妙寂》の原收録元は李復言《続玄怪録》であった可能性もある(參《玄怪録》及《続玄怪録》)。
  23. ^ 但し、王はこの注記を後人に依るものと疑っている。
  24. ^ 溝部良恵《廣異記・玄怪録・宣室志他》(中國古典小説選6)《玄怪録(抄)解説》、明治書院、2008年。賈説は張洎《賈氏譚録》や晁前揭書卷13に見える。
  25. ^ 前野直彬《唐代傳奇集》2《作品改題》、平凡社東洋文庫、昭和38年。
  26. ^ 王は後人の追記と見ている。
  27. ^ 黒田前揭書《任氏傳》余説。
  28. ^ 全唐文》卷512所載。
  29. ^ 志第50藝文4。
  30. ^ 談刻本、明鈔本參見《太平廣記#刊本》。
  31. ^ 李前揭書下冊第3卷《陸氏集異記》及《異聞集》。
  32. ^ 魯迅《唐宋傳奇集》所收《稗邊小綴》。《魯迅全集》12、學習研究社、昭和60年に拠る。
  33. ^ 志第156藝文2。
  34. ^ 近藤前揭《唐代小説の研究》第3章第5節丁。
  35. ^ 黒田前揭書《東城老父傳》解説。
  36. ^ 李前揭書下冊第3卷《虬鬚客傳》及《傳奇》《異聞集》。
  37. ^ 作中の王魁はその事績から宋代の王魁たる事明らかであり、従って何らかの時空現象が起きない限りは唐末編纂の本集に載せられる筈はない。
  38. ^ 前揭程書、李書《異聞集》。